Mana kunchi no heya
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文章書き、食べ物、写真、脳性まひ、希望、夢、前向き、介護職員、ヘルパー、電動車いす、散歩、パソコン、ホームページ作成、ラーメン、うどん、握り寿司、長野県、喬木村、不自由さのないマイナス面をプラスに持っていく生き方のページです。


 子ども本を読まないのに なぜ書けるの? 子ども

 2023年12月

おかめ令和5年にあった身の回りのことや気持ちの中で、書き落とし情報をすくい取りたい。「すくい取る」は、雑多なものの中から選び取る、注意深くより分ける、という意味を持つ。この言葉を用いてよいだろうか。出だしから余談となる。「すくい」で思い当たるのは、金魚すくい。そのつぎの、どじょうすくい。発祥の地は島根・安来市。郷土民謡の安来節が有名だ。ひょっとこ踊りみたいな感じで、どじょうを手で取ったり、ザルですくい上げたりする。宴会の余興などでも登場した。また、ひょっとこをデザインした、どじょうすくいまんじゅうが名物だとか。


戦国時代では、徳川四天王メンバーの一人、酒井忠次家紋が長篠合戦の際、味方を元気づけようと、海老すくいを踊ったされる逸話がある。扇を手に、前かがみになったスタイルで歌い踊った。歌詞は単純。「えびすくい えびすくい…」に続いて「三河湾でえびをすくう」「家康公に献上する」「家康公は喜んで」「酒井忠次を褒める」「酒井忠次は恐縮して」「もっともっと頑張る」「頑張って頑張って」「天下統一するまで」「えびすくい えびすくい…」(抜粋)。「死んでたまるか」は、番外編だ。「とら(寅)ちゃんが後ろ向きになる。そこへ、十二支・4番目の白兎(卯)が飛び跳ねてきた」。届いた賀状は、昨年並みの40枚とちょっとか。何も変わってはいない証拠。差出人住所、名前、電話番号を入れ込んだり、絵入りデザインの選択ができる、コンビニ経由でプリントした年賀はがきを注文した。20枚も余ったから、コスト面ではいまいち。宛書を人様に依頼する立場では、これしか手がなさそうだ。


介護スタッフ1月下旬、介護会社が運営する、短期入所を再び利用しはじめた。10年ほど前に、福祉講演会で触れ合ったという、男性スタッフが2名いることが分かった。隠せずに、打ち明けてくれてうれしかったし、こちらの方が何だか照れくさかった。そのうちの一人は、片手の肘に手術跡があるのを見せてくれて、こう言う。「手術をしてから、しばらく手が思うように動かなかった。リハビリを受けた結果だよ」と…。私の言語障害も気にしないで、笑顔を浮かべたり、入浴のケアでも一生懸命な気持ちが伝わり、なぜか安心感を持たせる。とても親しみやすそうな男の子で、いろんな経験をしてきているのは確かだと思う。あの触れ合いの場面を、小学生だった彼の心の中で大切にしていたと考えたら、胸が熱くなりそう。介護を受ける立場で、常に謙虚さを保ちたい。


寄せ鍋副食は、一昨年から変わりはなく「一口大サイズ」のまま。いま思うと、ほかの利用介護施設、または訪問介護よりも、先頭を立って、食べる練習をしてきたのか。いや、これが、短期入所生活介護の視線となっているのだと感じた。片手しか使えない身体では、例えば魚は壊れない。「普通」のおかずに、格上げされることは考えにくいし、そういう見方をしたい。ごはんは少し柔ら目だが、炊き立てだからか。味付が上手でその分、ごはんがおいしくなる。残念ながら、自分が不在のときに、高価な秋刀魚や寄せ鍋が出たと知った。悔やんでも、その日は帰ってこないのだから、次回のチャンスを待つしかない。


歌う屋内の通路は、ギャラリー展へ行ったような錯覚を起こす。利用者の作品が壁に展示されている。目についたのは川柳。「どうしても 思い出せない 同窓会」。五七五からなる句で、基本を守るのは難儀。そして、人と交じり合いの面白さや雰囲気を伝える。「ひ孫きて 元気をもらって 金とられ」。「誕生日 ローソク吹き消し 入れ歯飛ぶ」。「日帰りで 行ってみたいな 天国に」。A4サイズにまとめられた作品は11句。どれも傑作ばかりだ。自分も、川柳づくりにチャレンジとも考えるが、文章を書くことに得ているようだ。「おしゃべり好きなオウムさんサリンをまいて命取り」。これは生前に、父が書いた短文。世間のありさまに触れているが、何もルールが見えない。ユーモアセンスな父を思い出す。


変りもなさそうに、自宅へ訪問してくれるヘルパーのみなさん。女性でも力があるなら、身体介護も手早く済ませる。就眠直前のケアでも、慌ただしく帰ってしまい、リビングの照明を消し忘れたり、電動車いすの充電器にバッテリーをセットするとき、接続不十分で充電ランプがなかなか消えず困ってしまったときも…。頼もしいしありがたいが、折に触れて思う。「格闘技の相手をされているようで、ギブアップ寸前なのです。たまにはレフリーの参加をお願いします」。降圧剤に頼っていると聞く、白髪のおじいさんこと、男性ヘル介護スタッフパーさん。脚が痛いなど老化現象がみられるものの、比較的元気に見えて強壮パワーには驚く。訪問介護の買い物で、ほかのヘルパーさんに、わが家のテレビリモコンの乾電池を頼んだり気配りがある。女性ヘルパーさんから、厚い信頼を得ているとみる。若かったなら、モテモテじゃないか。自分には何か欠けていて、女性を引きづけ切れていない。だから、多くのヘルパーさんは、首を横にされてしまう。女心の理解は、自分にとって永遠のテーマ。ヘルパースタッフ不足が、県内でも深刻化している。介護ベースアップが講じられても、若者には不向きな職種のようだ。60歳前後の奥様集団であろうとも、この道一筋はキラキラ街道ではないか。利用者の立場で、彼女らに声援と拍手を送りたい。


ショートステイ施設構内を、電動車いすで散歩に行く。お盆が過ぎたころ、にぎやかな蝉の声を聞いた。大きな木の林から、ミーンミーン、ジリジリジリと、楽団の演奏みたい。「あれっ、左脚の足首のあたりが一瞬、チクっとして赤とんぼ痛かった」。はじめは外で、続いて2度目が施設の屋内へ入ってからだ。虫を連れ込んできた公算が大きい。その夜は刺されたところに、かゆみや痛みがあり寝つかれなかった。左膝の下から足全体が赤く膨れ上がり、靴を履くときは苦労を味わう。全治までに2カ月ほどかかる。虫との一期一会だった。一面緑だった背景が、赤や黄色の絵の具で塗り替えられていく。石垣にちょこんと、赤とんぼが止まる。「♬夕焼け小焼けの…」。こんな歌詞が、頭の中から出てきた。心で口ずさみながら構内を回ってみる。少し日々が過ぎると、あたりは落ち葉街道がお見えする。あったかそうな枯葉のじゅうたんを踏みしめながら、晩秋を肌で味合う。この季節に目に留まる、キクの鮮やかさが格別だ。続いて、木枯らしが吹く。南アルプスの山々が雪化粧し、北風が身を震わせる。四季と自然のハーモニーが心地よいし、外に出るのが楽しくて待ち遠しくなった。自分の脚で歩くということを教えてもらい、前向きさを感じる機会を得たと思う。


テレビNHKテレビ大河ドラマ「どうする家康」は、最終回を終える。歴史上の偉大な人、徳川家康の生涯を描いた番組を、毎週、待ちわびていた。小さな大名の殿が天下人になるまでを、多くの家臣に愛され悩み、戦を繰り返しながら成長していく過程を垣間見る。戦国時代を終わらせ、和平な世をつくり上げた。家康の生きざまから、人とのつながりを学ぶ。介護支援専門員のAさんが話しかけた。「ショートステイは、どこの施設にしますか。期間はどうする、どうする?」。こんな調子なので、なおさら、今年の大河ドラマに填まってしまった。さて、来年はどうする。紫式部にテレビで会おうとしようか。「NHKさん、近年の大河ドラマは視聴率が伸び悩んでいるそうですが、新しい番組はもっとおもろしくしてくださいね」。今年もお金を使ったが、楽しい日々を過ごせたことに感謝したい。みなさん、ありがとう。

2023/12/23

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