Mana kunchi no heya
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文章書き、食べ物、写真、脳性まひ、希望、夢、前向き、介護職員、ヘルパー、電動車いす、散歩、パソコン、ホームページ作成、ラーメン、うどん、握り寿司、長野県、喬木村、不自由さのないマイナス面をプラスに持っていく生き方のページです。


 子ども本を読まないのに なぜ書けるの? 子ども

 2023年8月

「希望が叶いましたね」。自宅を訪問してくれたAさんが、大きな声で言った。低いの声の女性で、私の担当になった介護支援専門メール員だ。ちょうどそのとき、デイサービスから帰ってきたばかりで、ベッドに横になった状態だったが、とってもうれしい訪問者だった。続けて、Aさんが話す。「いろんな情報を、メールで送ってくれて、ありがとう」。この人なら、なんでも打ち明けられるそんな間柄でありたいと、改めて思った。


父が病死してから、20年の歳月が過ぎた。伴侶の看病疲れで、やつれていた母に、何もしてやれず悔やむ。同時に「これからは、世帯主として責任がある。自分にはできるんだろうか」…?。こんな思いが、心の中に駆け巡っていた。その中で、父の葬儀で喪主を務める。新盆でも、故人をしのぶ大勢葬儀の人を前に、一人ひとりに頭を下げた。気を休めるときもなく、一年祭から五年祭までを、両家の親せきに集まってもらう。10畳の部屋が4つもあるおかげで、場所は自宅でおこなった。案内のはがき作成や、当日は参列者の前であいさつをする。まわりの人の協力と、母の助言があったから、ここまでくることができた。感謝のみである。時間が過ぎていくと、親子ともに身体の自由が利かなくなってきた。母に元気でいてほしいと願い、行政支援を求めたりした。が、区分で要支援となった介護保険は、利用サービスが限られていて、母にとって適切なサポートではないと感じた。気持ちを改め、ボランティアの協力に頼る。


Aさんとの出会いは、わが家にとって、訪問介護が必要と思いはじめたときだ。愛車を走らせていると、国道沿いに全国組織のヘルパー事業所が目に入る。これといった話は出さないのに、スタッフはお茶を出したり、世間の話題に耳を傾けてくれた。いつの間にか、そちらへ行くと立ち寄るようになってしまう。明らかに、迷惑行為と思われたに違いない。情報は、Aさんもキャッチしていたと思う。


ヘルパー事業所長は、Aさんである。多忙な様子で、なかなか顔を合わせられなかったが、私たち親子に穏やかな表情を向けていた。「頭が悪くて、看護師になれないのです」と打ち明けながらも、時間を止めずに介護支援専門員に女性なったと知る。さすが、キャリアウーマン!。母もやがて、父の住処へ逝く。物心がついたときの6人家族から、自分一人になってしまった。健康なら、誰にもあることだ。ただ、首の具合が悪くなり、ほぼ一日中寝た状態に陥った。ラジオを枕元に寝ているだけで、何もできないつらさを味わる。そして、頚椎症の手術を含め、長期入院から退院となった。病院の勧めがあり、介護保険サービスを利用して、自宅生活に戻る段取りができる。


要介護認定となり、ケアマネージャーを誰にするか考おむつえた。が、迷いはなかった。「私でよければ、引き受けたいと思います…」。病院スタッフを通じて、Aさんの尊い返事を耳にする。また、新たな関わり合いが生まれた。令和3年11月、ケアプランの作成がはじまった。訪問介護で、電動車いすの乗車を手伝ってもらえば、室内の移動は一人でできる。テレビのリモコンを操作したり、パソコンいじりはお手のもの?。食事の支度をお願いするほか、ごはんやおかずをこぼす。トイレは使用できず、おむつをしている。まるで、頭でっかちの火星人だ。ヘルパーさんはとても大変だろうし、Aさんもプラン設定で考えたに違いない。


介護保険証を交付されてから、丸2年になる。自宅だけで過ごすわけもいかない。デイサービスで入浴したり、2週間ほど、ショートスティを利用する。この生活パターンが定着しはじめてきた。自分以外の要介護4に認定されている人は、どうなんだろう?。そこまで考えず、Aさんを信用していきたい。2ヶ月後に迫った、サービス会議。「ヘルパーさんの手助けが必要です。また、お金も大切にしなければなりません。できることなら、村役場と相談してくれませんか?」。障害福祉サービスの併用を提案したのは、確か前回のこと。私の希望に応えてくれたAさんは、障害者施設で働いた経験を持つ人で、ヘルパー事業所長さんだ。願ってもない、心のパートナーでもある。出席者からのどんな意見が出て、これからのケアプランに変更されるのか興味深い。


Aさんの、力のこもった言葉が好きだ。「独り者で生活している人を見ています。あなたの担当をしながら、みんなが生きていく参考にしたいと思います」。ぜひ、そうしてもらい秋の味覚たい。今年6月から、介護会社が運営する短期入所施設に一本化した。自分の希望が叶う。団体生活にとって、新型コロナウイルスの強者が今後、どう動くのか?。明日のことはそれとして、介護で関わる人たちを信じていきたい。「嚥下往診はパスできて、何でもおいしく食べるようになりました。これも、Aさんの支えがモノを言ったのです。この秋、お助け隊主催による食事会の前に、サービス会議ができたら、一味違うかもしれませんね。あとで、一緒にビールを飲みましょう。楽しみにしています。担当をしていただいている第2号被保険者より…」。

2023/08/21

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